これから受験される方や受験されている方に少しでも参考になればと思い、税理士試験の合格体験記を書いていきます。
税理士試験は5科目取得できれば合格となります(選択科目の縛りはありますし、大学院など他の合格ルートもあります)。私が税理士試験を始めて受験したのが2014年、最終的に合格したのが2022年でした。9年越しでの合格です。
丸9年間の受験履歴は以下の通りです。(○は合格、×は不合格です)
2014年 簿記論×
2015年 財務諸表論× 消費税法×
2016年 簿記論〇
2017年 財務諸表論〇
2018年 法人税法×
2019年 法人税法×
2020年 法人税法〇
2021年 消費税法〇
2022年 所得税法〇
今回は、簿記論の受験体験記です。
当時(2014年~2016年)の自分の状況
- 上場SE会社の財務経理部として勤務
- 専門学校へ通学(TACにてビデオ受講)
簿記一級を取得していたことで、学習がスムーズに
簿記論の学習前に、簿記一級を3年かけて取得をしていました。
2014年に簿記一級に合格。そこから8月の税理士試験に向けて、専門学校で簿記一級取得者向けの簿記論受験講座が開講されていましたので、勤務後に通学しながら勉強をすることに。
まず感じたことは、簿記一級の学習範囲で、簿記論の学習範囲のほとんどがカバーされていたということです。そのため、新しく学習する論点はあまりなかったので、ほかの受験生よりは優位に学習を進められたと感じています。
簿記二級から税理士試験への学習をスタートされる方も多いかと思いますが、自分は簿記一級を取得してから税理士試験の学習をスタートしてよかったと思ってます。理由としては、以下の通りです。
- 簿記一級において、2回不合格を体験することで、毎日継続して学習しないと合格はできないことを知れたこと。特に朝勉強という自分のスタイルが確立できたこと。
- 簿記一級をあきらめないで取得したことで、税理士試験の長丁場の受験耐性が出来たこと。税理士試験は、競争試験なので、不合格もあれば、合格する年もあります。一喜一憂せずに、合格しきるまで淡々と勉強をする姿勢が身に付いたこと。
慣れが必要
簿記一級を取得していたことで、学習はスムーズでした。ただし、簿記論は問題への慣れと対策が必要です。
税理士試験の時間は2時間。簿記論は全てを解くのに2時間以上かかる問題がよく出題されます。自分が不合格となった2014年も非常にボリュームが多く、とても2時間で終わるような試験ではありませんでした。
講師の方も、
「問題の5~6割を回答して、そのうちの8割を正解できれば合格レベルに達します」
と言っていました。
あれ、合格点って60点じゃないの?これだと良くても50点しか取れない。
って思いますが、税理士試験は受験者の上位10~20%だけが合格する競争試験です。
点数の配分は公表されませんので分かりかねますが、受験生みなが解ける部分を確実に正解していくことが大切です。
つまり、問題のうちの半分は捨ててもいい、取捨選択をして、解ける問題だけを確実に正解にすることが合格の近道です。
取捨選択。できるようでなかなか難しいものです。
私も受験初年度の2014年は、あれもこれも解こうとして時間が足りず、不合格でした。一応自己採点の結果、ボーダーラインにのっていたので、財務諸表論と消費税法の勉強をしていましたが、不合格。再度簿記論に挑戦することになりました。
簿記論は解く量で勝負
気を改めて、再度2016年に合格に向けて、簿記論の勉強を一からスタート。勤務後に、専門学校の簿記論講座を受講しながら、勉強していました。やはり、簿記論は問題を解く量で合格が近づくと思います。多く問題を解くことで、取捨選択ができるようになってきます。あとは、だれでも解ける問題をおろそかにせずに、確実に部分点を積み上げていくこと。基本論点が大切なので、トレーニング集で間違えた問題は最低でも5-6回は解くことを意識していました。また、試験直前期である5月からは、最低でも1日1回は総合問題を解いて感覚を鈍らせないようにしていました。
結果的に2016年で、簿記論に合格することが出来ました。最初の1科目がとれたことで、ようやくスタートラインに立てた気持ちになり、ほっとしたことを今でも思い出します。