大学卒業後、証券会社に入社し4年ほど勤めましたが、上場SE企業に転職し経理として働き始めました。この経理時代として勤めた5年間で、多くの経理実務を学ぶことができました。
経理には様々な業務がある
私が勤めていた会社の経理メンバーは約8~10名で、普段の日常業務は、財務チーム(現預金管理や振込業務、資金繰り、借入の検討など)と経理チーム(会計の仕訳業務や月次決算締めなど)の2チームに分かれ、四半期ごとの決算業務や公開書類の作成は皆で協力して役割分担をしていました。なかでも、決算時期になると普段の日常業務に加えて、投資家に対しての公開書類である決算短信、有価証券報告書の作成など期限がある中で作成することを求められます。勤めていた会社は3月決算でしたので、4月から株主総会の6月までは忙しいスケジュールとなります。そのため、経理内でのコミュニケーションや報告連絡相談が欠かせませんし、スケジュールの進捗管理が求められます。
5年間でほぼすべての業務を経験でき、4年目以降は、法人税などの税務業務も経験することができました。
監査法人、税理士対応と顧客側の立場を経験できた
経理として働いていると、監査法人や税理士の対応もすることになります。監査法人は四半期決算ごと、顧問税理士は毎月対応することになります。そこでは、現在勤めている税理士事務所とは、逆の立場である顧客側の立場を経験できました。企業の経理としての当時の観点でいうと、監査法人の会計士や顧問税理士は会計・税務の専門家であり頼れる存在だなということを感じましたし、みなプロ意識が強いなと感じました。また、しっかりと会計基準や税法ベースで会話をしてくれ、納得をさせてくれました。顧客側の立場を経験することで、税理士として頼れる存在にならないといけないと感じています。
また、会計士や税理士と対応していくことで、専門家としてプロ意識をもって仕事をしていきたいと思うようになり、簿記1級を取得し、その後の税理士試験への挑戦へつながりましたので、この経理として勤めた5年間は貴重な経験ができました。税理士試験の簿記論に合格し、財務諸表論を受験し合格に手ごたえを感じたところで、本格的に税理士事務所として働きたいと思うようになり、税理士事務所へ転職をすることにしました。
税理士事務所でも経理経験が十分に活きる
税理士事務所で働いていても、一般企業の経理職としての経験は十分に活きます。会計の仕訳業務はもちろんのこと、決算書の作成なども流れや勘所が分かっているので、実務として飲み込みが早かったです。また、経理代行業務も請け負っていると、振込業務なども行うので税理士事務所に入社してすぐに任せてもらえたりしました。ただし、一般企業の経理はその勤務している会社のみ見ますが、税理士事務所は様々な業種、様々な規模の中小企業を見ていくことになりますので、そこは慣れが必要です。
1社目の証券会社としての営業経験や、2社目の上場企業経理としての経験を税理士事務所でも活かせることができています。大事なのは将来に活かせるように、今やっている業務を真剣に取り組み、自分のモノにしていくことかと思います。他人任せにせずに自分ごととして、積極的に様々な業務に取り組むことで将来へ活かせると感じています。日々努力をしていきます。