2024年からの新NISA

2014年に開始したNISA(ニーサ)で資産形成をされている方も多いのではないでしょうか。そのNISAですが、2024年からは新しい制度へと変わることになります。今回は新しいNISAのポイントについて書いていきます。

まず始めに新NISAの概要を以下に示します。

出典:金融庁ウェブサイト(新しいNISA : 金融庁 (fsa.go.jp)) 

【ポイント1】年間投資枠が拡大されます

今までの制度では、つみたてNISAが年40万まで、一般NISAが年120万までの限度額となっていました。それが新しい制度では、つみたて投資枠が年120万、成長投資枠が年240万まで限度額が広がります。2つの枠は併用することができ、合計で年360万まで投資が可能となります。年間投資枠が広がることにより、今までよりも非課税で多くの投資をすることができ、早めの段階で長期を見据えた資産形成の準備をすることができます。

【ポイント2】非課税期間が無期限となります

今までの制度の非課税期間は、つみたてNISAが20年、一般NISAが5年となっていました。非課税期間が終わった後に非課税口座から課税口座に移管した場合は、売却益や配当について課税されることになります。それが新しい制度では、つみたて投資枠、成長投資枠ともに無期限で非課税となります。上場企業の株式の譲渡益や配当については、課税口座の場合は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかることになりますが、それが新制度では無期限かつ非課税で運用できるため、手取りを増やせることが大きなメリットのひとつです。

【ポイント3】つみたて投資枠と成長投資枠の併用ができます

今までの制度は、つみたてNISAと一般NISAを併用することはできませんでした。それが新しい制度では、つみたて投資枠と成長投資枠の併用をすることができます。2つの枠の保有限度額は全体で1,800万となります。そのうち成長投資枠は1,200万までです。また、枠の再利用が可能となりますので、運用をしていて売却をした場合は枠がまた復活することになります。

【ポイント4】すでに口座開設している場合は新規での口座開設は不要です

既につみたてNISAか一般NISAの非課税口座を開設済みの場合は、令和6年からつみたて投資枠と成長投資枠が自動で設定されるため、特に新しく手続をせずに、新NISAを利用することができます。

【注意点】

NISAはiDeCoと違い、掛金については所得控除の対象にはなりません。そのため、年末調整や確定申告時に使うことはできません。

また、現行NISA口座から新NISA口座への移管はできませんので、現行のNISA内での上場株式等は非課税期間終了後は課税口座に移ることになります。

おわりに

2024年から大きく変わるNISA制度ですが、投資枠も広がり、非課税期間が無期限というメリットが多い資産形成の手段となります。これを機に検討してみてはいかがでしょうか。