インボイス制度後も帳簿のみの保存でOKな取引

9月も後半となり、インボイス制度開始の10月までもうすぐとなりました。

10月からは、インボイスの要件を満たした請求書や領収書を相手から受領しないと、当社の消費税負担が増えることになりますが、例外として会計帳簿に取引内容を記載することで認められる取引がありますので、いくつか紹介していきます。

【公共交通機関特例】3万円未満の公共交通機関(鉄道、バス、船舶)の運賃

タクシー代や航空券はこの特例の対象になりませんので、注意が必要です。

3万円未満かどうかの判定は、1回の取引の税込金額で判定をすることになります。例えば、新幹線で1人9,000円の乗車券を3人分まとめて購入した場合は27,000円となり、この特例の対象となります。しかし、1人9,000円の乗車券を4人分まとめて購入した場合は、36,000円となりこの特例の対象となりませんので、インボイス要件を満たした領収書の保管が必要となってきます。

【自動販売機特例】3万円未満の自動販売機の購入

駐車場のコインパーキングはこの自動販売機特例の対象にはなりませんので、注意が必要です。

ここでいう自動販売機特例は、ジュースやスナックなどの自動販売機だけでなく、コインロッカーやコインランドリー、ATMの入出金や振込の際の手数料も対象となってきます。

【出張旅費特例】従業員の出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当

この出張旅費特例は、通常必要と認められる金額=所得税法上で非課税となり給与課税されないものが対象となります。通常必要な金額には明確なものはございませんが、例えば役職ごとに出張手当の金額が決まっていたり、設定金額も同業種や同規模の会社と比較して過度に高くないことが挙げられます。

また、会社が直接購入した乗車券などはこの特例の対象外となりますので、上記の公共交通機関特例の対象になるかどうかを判断をしていきます。

法人の場合、各従業員が経費などをいったん立て替えて、精算をすることも多いかと思います。10月からはインボイスの要件を満たした領収書を受領してもらったり、上記の特例を満たすかどうかを従業員に対しても周知していく必要があります。